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「青い空に絵をかこう」上演実行委員会

平成7年1月17日、午前5時46分、阪神・淡路大震災発生。 平成7年1月17日未明に発生した巨大地震は、 日本で初めての大都市における直下型地震であり、 大きな破壊力を持って、未曾有(みぞう)の被害を各地にもたらした。 芦屋市でも各地域で被害が出た。 芦屋市全体の被害は、死者444名、負傷者2700人、 全壊の家屋4700棟、避難者総数は2万人を超えた。 わずか20数秒の揺れで、尊い命は絶たれ、町は崩壊し、人々の未来が奪われた。

作品について

 震災当時、芦屋市の小学校一年生だった私の娘の担任の先生はお嬢さんを震災で亡くされました。
 その先生からいただいた手紙を基にこの作品は生まれました。 
 先生からいただいた手紙には、先生の胸中がありのままに綴られていました。
 震災後のあの大変な時期に、お嬢さんの死という深い悲しみを見つめ、ご自分の思いを文章にまとめるという苦しい作業をあえてなさったのは、先生がお嬢さんの事を誰かに語らずにはいられなかったからだと思うのです。
 そして、お手紙をいただいたその時から、私の中では先生への長い長いお返事が紡がれていきました。
 誰もが見舞われる可能性のある災いを、たまたま被った者の悲しみ、苦しみをただ同情だけでなく、あらん限りの想像力を持って共有してもらいたい。
 「がんばってね」ではなく「がんばろうね」と言って欲しい。
 そういう関係が生まれてこそ、傷ついた魂は癒されていくのだと、私は思ったのです。
 そのためには、被災者である私たちが表現、発言していかなければならないのだと・・・・・・・・。
 こうして震災から二年後の一月、朗読劇というかたちでこの「青い空に絵をかこう~震災の街で生まれた愛の手紙」は生まれました。
 そして月日は流れ、震災の街は姿を変え、前へ前へと進んでいきました。
 しかし、必ずしも街の復興のスピードと人の心のそれとは、同じではありませんでした。
 歳月が流れ、その記憶が薄れようとしている今、あの時何が起こり、人は何をしてきたのかという事を、もう一度思い起こす時間が必要なのかもしれません。
 この間にも、私たちは想像を絶する大きな災害に数多く見舞われ、多くの尊い命が瞬時に奪われていく事を何度も目の当たりにしてきました。
 そして、命そのものをないがしろにするような悲しい、痛ましい事件が後を絶ちません。
 この混沌とした先々の不透明な世の中に日々暮らしていく中で、自分の出来ることは何かと考えていくことが、あの震災で亡くなった、またその後多くの災害で亡くなっていった人々の分までを「生きる」ということに繋がるのではないでしょうか。
 ご覧いただいた方々に、私どもの思いが少しでも届くことを願います。
前 田 伊 都 子

解説

作品はすべて、3組6人の手紙で構成されています。

第一章

小学校の女性教諭と彼女の受け持ちだった児童の母親との手紙。
一瞬の揺れでお嬢さんを亡くされた娘の担任の先生は、愛するお嬢さんが息を引き取るその瞬間までもを赤裸々にその手紙に綴られました。
そうしなければいられなかった彼女の心境が生の声として響いてきます。
そして、家族を失った者たちの悲痛な叫びもそこに記されています。

第二章

小学校の講堂に避難している老婆と小学生の男の子との手紙。
市場の乾物屋を細々と営んできた古川ヤエさんは、店も住まいも地震で失い、小学校に避難していました。そこで知り合った五年生の男の子と文通することになりました。お互い顔も知らないまま、彼女は男の子に勇気づけられ、男の子は彼女から多くの事を学びました。
やがて春が来て、ふたりは初めて出会う約束をするのですが・・・・・
孤独死の問題にも触れています。

第三章

東京からやって来たボランティアの青年とその恋人との手紙。
憧れの神戸の街を救おうと、人間関係に疲れ、東京から駆けつけた青年。
しかし、彼はボランティアの真の辛さに気付き、苦悩します。
そして、彼をひたすら東京で待ち続ける恋人。
しだいに二人の間にはズレが生じます。それはあたかも、被災地と東京の温度差でもありました。

公演の記録

朗読劇「青い空に絵をかこう ~震災の街で生まれた愛の手紙~ 」

公演日平成22年1月16日
会場コープこうべ生活文化センター
公演日平成17年2月9日
会場ルナホール(大ホール)

公演日平成14年1月25~27日
会場ルナホール(小ホール)
公演日平成9年1月25~26日
会場神戸北野シアターポシェット

芦屋市 阪神淡路大震災20周年事業

公演日平成27年1月18日
会場ルナホール
演目朗読劇「青い空に絵をかこう~1.17震災の街で生まれた愛の手紙」

歌詞

青い空に絵をかこう

【作詞】一樹 和美
【作曲】上柴はじめ
青い空に絵をかこう
 大きな大きな船
 あの船にのって出発だ
 ボクらのしまへ
  あしたは エイ! ヤァー!
  あしたは エイ! ヤァー!
  あしたはボクらの世界だ
  あしたは エイ! ヤァー!
  あしたは エイ! ヤァー!
  ボクらの世界だ
白い雲のマストには
 いっぱいいっぱいの風
 ひこうき雲のかじとって
 ボクらのしまへ
  あしたは エイ! ヤァー!
  あしたは エイ! ヤァー!
  あしたはボクらの世界だ
  あしたは エイ! ヤァー!
  あしたは エイ! ヤァー!
  ボクらの世界だ
星のランプに火がともる
 小さな小さな夢
 流れ星を追いかけて
 もうすぐあしたへ
  ボクらの エイ! ヤァー!
  ボクらの エイ! ヤァー!
  ボクらの世界にとうちゃくだ
  ボクらの エイ! ヤァー!
  ボクらの エイ! ヤァー!
  世界にとうちゃくだ
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